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昭和9年(1934)、四条小橋を南に少し下がった路地に、西洋の街角で見かけるような、いきな喫茶店フランソアが開店、クラシック音楽とコーヒーの好きな若者を喜ばせた。

立野正一、高木四郎、イタリア人のベンチベニら若い芸術家仲間が設計、ステンドグラスの窓、優雅な白い天井、赤いビロードの椅子、壁にかけられた「モナ・リザ」の複製など、当初からサロン風の贅沢な喫茶店であった。

もっともオーナー立野の本当の意図はもっと高いところにあった。戦時色が深まり自由な言論が困難になっていく時代に抗して、反戦や前衛的な芸術を議論する場として、このフランソアを提供しようとしたのだった。当時、先鋭な論調で知られた『土曜新聞』なども、ここに来ればいつでも手に入った。寄稿者の多くがフランソアの常連だったのだ。「野にすみれが自由に咲く時代である」と語りかけるその主張に、啓発され勇気づけられた若者も少なくなかっただろう。

そんな文化的雰囲気にひかれてフランソアに通った青年の中には、今は亡き藤田嗣治、宇野重吉、桑原武夫のような人もいたとか。それから半世紀を経た今、小さな喫茶店フランソアは、京都昭和史の貴重なインデックスでもある。

(出典:エキゾチック京都 / 淡交社 / 左方郁子)

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2021.2.2 当店は、緊急事態宣言の延長に伴い、1月14日から3月7日まで引き続き営業時間を短縮させていただきます。


フランスのバルビゾン派の画家フランソア・ミレーより名付けた「フランソア喫茶室」は、昭和9年(1934年)9月、京都の四条河原町に誕生しました。イタリアン・バロック様式の室内は当時のイタリアの豪華客船の面影を写し、海外の文化と自由への憧れを象徴しています。2003年、喫茶店として初めて、国の登録有形文化財に指定されました。

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現代のように個人や家庭にオーディオ機器がなかった時代、フランソア喫茶室に来れば、蓄音器から輸入盤のクラシック音楽がいつでも流れていました。ダ・ヴィンチ、ピカソらの名画が掛かる室内に文化人や学生、青年たちが集い、未来を語り合いました。ひとときの非日常の場。それは今も守り継がれています。

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