伝統と歴史

フランソアの伝統と歴史

昭和9年(1934年)、四条小橋を南に少し下がった通りに、西洋の街角で見かけるような、粋な喫茶店フランソアが開店した。
当時のクラシック音楽とコーヒーの好きな人々を喜ばせた。

創業者 立野正一と友人 高木四郎、イタリア人の京都大学留学生(文学部) ベンチベニら芸術家仲間が設計、ステンドグラスの窓、優雅なドームの白い天井、赤いビロードの椅子、壁にかけられた「モナ・リザ」イタリア メディチ家出版の複製など、当初からサロン風の贅沢な喫茶店であった。

もっとも、オーナー立野にはもう一つ志(こころざし)があった。

戦時色が深まり自由な言論が困難になっていく時代に抗して、反戦や前衛的な芸術を議論する場として、このフランソアを提供しようとしたのだ。

劇団民芸の創設者 宇野重吉、滝沢修から
フランソアの店主 立野正一に贈られた色紙。
民芸とフランソアの交流を物語っている。



当時、リベラルな論調で知られた新聞、『土曜日』なども、ここに来ればいつでも手に入った。寄稿者の多くがフランソアの常連だったのだ。「野にすみれが自由に咲く時代である」と語りかけるその主張に、啓発され勇気づけられた人々も少なくなかっただろう。

そんな文化的雰囲気を共有するためにフランソアに通った人々の中には今は亡き画家・藤田嗣治、映画人・吉村公三郎、伊藤大輔、三隅研次、新藤兼人、演劇人・宇野重吉、滝沢修、フランス文学者・桑原武夫、矢内原伊作たちがいた。

それから半世紀を経た今、フランソア喫茶室は、京都昭和史の貴重なインデックスになっている。

フランソアの創業記念日

**************創業記念日**************



フランソア喫茶室は昭和9年(1934年)9月23日、
創業者 故 立野正一によって創業、
伴侶である故 立野留志子によって発展した。


毎年9月23日は
創業者 故 立野正一・故 立野留志子 の
フランソア創業を記念して
お客様に記念のクッキーを差し上げております。

創業者の友人で画家である故 藤田嗣治
(レオナール・フジタ)によって、フランソア喫茶室の創業を記念してメニューに描かれた踊り子のスケッチ

文化庁 登録有形文化財(建造物) 指定 について

文化庁は、京町家の骨組みを残し欧風調(バロック様式のドーム、エンタシスの柱)を取り入れたインテリアを評価、昭和初期における革新性を持った建物であり、その様式を今日まで残している点を取り上げ、2003年(平成15年)1月31日、フランソア喫茶室を国の登録有形文化財(建造物)に指定するところとなった。

喫茶店として国の有形文化財になった建物はフランソア喫茶室が初めてである。

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